<放課後さいころ倶楽部について>
天真爛漫な高屋敷綾、引っ込み思案な武笠美姫、まじめな委員長だけど実はボードゲームが好きな大野翠らを主役に、女子高生たちがボードゲームをする漫画です。登場人物たちの成長、少しラブコメ的展開もありますが、良い意味でスパイス程度にとどまっており、ストレスを感じさせず、メインのボードゲームに集中させてくれます。ゲームの熱い対戦による駆け引きよりも楽しさを伝えることに重点を置いているように感じ、そういう意味ではこれからボードゲームを楽しんで貰うためにあえて想像の余地を残した、控えめで礼儀正しい人のように好感の持てる漫画と思いました。春の京都ーーーー
見知らぬ町に引っ越してきた女子高生の綾。
彼女とはじめて友達になったのは、
自分の「楽しい」がいまいち分からない
引っ込み思案な同級生の美姫・・・
ある日の放課後、
委員長の翠の後をこっそりつけて、
綾たちが出会ったとびっきりの
「楽しい」とは・・・!?
(1巻:裏表紙より引用)
一度でもボードゲームをしたことがある人が楽しめるのは勿論ですが、テレビゲームだけをしている人も、普段と違うゲーム性を楽しめるのではないでしょうか。個人的にボードゲームはゲーム性を追求しているところで任天堂のゲーム作りと似ている気がします。ボードゲームによりますが、一度してみるとその魅力に気づかされると思います。今回は各巻に出てくるボードゲームと、友人とプレイしたごきぶりポーカーの感想を書きたいと思います。
<放課後さいころ倶楽部1巻(全10話 209P)>
・マラケシュ(モロッコの都市マラケシュの絨毯市場を舞台に、全員でたった一人の商人コマを動かしながら、なるべく他の人が自分の色の絨毯を踏んでお金を支払ってくれるように、小さな絨毯をうまく敷いていく。2~4人用、対象年齢6歳以上、所要時間約30分)
・ごきぶりポーカー(下の感想に記述)
・ねことねずみの大レース(じわじわと迫ってくるねこに捕まらないように、サイコロを振って自分の4~5匹のねずみを逃げ進めながら、より多くのチーズ片を集める。2~4人用、対象年齢8歳以上、所要時間約20分)
・ハゲタカのえじき(毎回、ジャンケンのように全員がカードを一枚を一斉に出し、出された数値を比べてもっとも大きい人が得点を獲得していく。2~6人用、対象年齢7歳以上、所要時間約15分)
・ミラーズホロウの人狼(ミラーズホロウの町で起こった、善良な住人たちと、住人を装う人狼たちと生き残りを賭けた、会話での殺戮劇。9~19人用、対象年齢10歳以上、所要時間約30分)
<放課後さいころ倶楽部2巻(全8話 188P)>
・ガイスター(チェスのように、マス目の盤面上でオバケ駒たちを動かして互いに取ったり取られたりしながら、相手の駒の性質を推理し、青のオバケを相手側の出口から脱出させる。2人専用、対象年齢10歳以上、所要時間約15分)
・インカの黄金(全員一緒に、インカ帝国の神殿遺跡の洞窟を奥へと進みながら、道中に落ちている宝石を集めていきます。危険を覚悟で奥へ進むか、宝石を没収される前にライバルたちを出し抜いて帰るか、度胸試しで宝石をより多く持ち帰った人が勝ち。3~8人用、対象年齢8歳以上、所要時間約30分)
・カタンの開拓者たち(未開の島カタンを舞台に、採掘や他人との交渉によって5種類の資材を集めて道や家を建設していき、開拓レベルを競う。3~4人用、対象年齢10歳以上、所要時間約1時間)
・テレストレーション(物や現象の名前で表されたお題を、絵と名前を交互に1人ずつ紙に書いて人に渡すことで、最後までうまく伝わるかどうかを楽しむ。4~8人用、対象年齢12歳以上、所要時間約15分)
・ファウナ(1種類ずつ出題される360種類の実在する動物に対して、生息地域や体重、体長などを推測しては、ギャンブルゲームのように当たりそうな要素にチップを賭け、得点を稼いでいく。2~6人用、対象年齢10歳以上、所要時間約45分)
<放課後さいころ倶楽部3巻(全7話 193P)>
・ニムト(全員一斉に出した番号カードが数の小さいカードから順に重ねられるとき、6枚目にあたるカードを出した人に<その列引き取り>のペナルティが課されるため、6枚目にならないような番号カードを手札から選んでいく。2~10人用、対象年齢8歳以上、所要時間約15分)
・キング・オブ・トーキョー(怪獣映画の世界観を舞台に、各自、東京を襲撃する大怪獣となって、特殊なサイコロを振っては行動を選択し、ライバル怪獣を攻撃したり、都市破壊ポイントを獲得したりしていく。2~6人用、対象年齢8歳以上、所要時間約30分)
・ごいた(全32駒の種別枚数を念頭に、誰がどの駒を持っているのかいないのかを察知しながら、自分が出した駒と同じものを他の人に出されないように導いて自分の持ち駒を無くす。4人専用、対象年齢8歳以上、所要時間約15分)
・ドブル(8つの絵柄が描かれたカードを任意に2枚比較した時に必ず1つの絵柄だけが一致する特性を利用して、スピード勝負で「たくさん集める」や「なるべく減らす」など、5つの遊び方ができる。2~8人用、対象年齢7歳以上、所要時間約20分)
・バトルライン(古代の戦争をモチーフに、9か所の戦場ごとにポーカーのような役を作って軍旗を奪い合う。2人専用、対象年齢10歳以上、所要時間約45分)
<放課後さいころ倶楽部4巻(全5話 193P)>
・ワンルーム(著者の中道裕大さんとゲッサン編集部で協力して作られた「家具をそろえたり、部屋のレイアウトを考えるのって楽しいよね!」をコンセプトに作られたオリジナルボードゲーム。労働時間でお金を稼ぎ、そのお金を元手に家具を買って部屋のレイアウトを作っていく。2~4人用、所要時間約15分)
・ラブレター(各自、意中の姫に恋文を届けたい若者となって、道化や騎士など、様々な人物カードの力を借りながら相手の手札情報を探り、ライバルを脱落させていく。2~4人用、対象年齢10歳以上、所要時間約10分)
・もんじろう(各面に平仮名が書かれた24個の木製さいころを振って、ゲームや、さまざまな言葉遊びを楽しめる。1~6人用、対象年齢5歳以上、所要時間約5分)
・アイランド(分厚い土地タイルが何枚も集まって構成された、徐々に沈みゆく伝説の島アトランティスから、自分の色のコマを脱出させ、鮫や海龍などが迫る危険な海を渡って避難させることで得点を競う。2~4人用、8歳以上、所要時間約1時間)
・ケルト(条件に合わせて手札の数字カードを出しては、カードの色に応じたコマを進めて得点を競う。2~4人用、10歳以上、所要時間約30分)
<放課後さいころ倶楽部5巻(全5話 189P)>
・ピット(全員いっせいに、手札の中で人と交換したいカードの枚数を叫び合っては交換し、手札のカードをすべて同じ種類にいち早く揃える。3~8人用、7歳以上、所要時間約30分)
・オニリム(プレイヤーは神秘の迷宮で迷ってしまったナイトウォーカーとなり、夢から覚める前に、または永遠の罠に捕らわれる前に、神秘の迷宮の出口に辿り着かなければなりません。常に、次に山札から出てくるカードの可能性を考えつつ、手札を選んでは出口への道を探求する。1~2人用、対象年齢10歳以上、所要時間約15分)
・エルフェンランド(エルフ族の若者となり、ドラゴンや魔法の雲など、手札のさまざまな乗り物カードを最大限活かせるように旅の計画を立てては、国中の都市を巡ってゆく。2~6人用、対象年齢10歳以上、所要時間約1時間)
・だるまさんがころんだ
・パンデミック(全員が作戦会議で知恵を絞りながら、世界中で蔓延する4種類の致死病原体の感染を食い止めつつ、治療薬を開発して世界を救うことに挑戦する。2~4人用、対象年齢10歳以上、所要時間約30分)
※コミック内:「もっと知りたい! ゲームよもやまばなし」から引用。
<放課後さいころ倶楽部6巻(全5話+α 196P)>
・アクワイア(縦×横108マスに1マスずつホテルを建ててホテルチェーンの塊を大きく拡大させつつ、有望なチェーンの株券を買い、吸収合併などによってお金を稼ぐ。3~6人用、対象年齢12歳以上、所要時間約1時間半)
・ブロックス(自分の色の、テトリスに出てきそうなさまざまな形のピースを、マス目の盤面に1つずつ、互いに角だけの接触で延長するように配置していき、より多く自分のピースを置く。2~4人用、対象年齢7歳以上、所要時間20~30分)
・レディース&ジェントルメン(夫役と妻役のペアが、他の夫婦ペアよりも豪華な衣装で舞踏会に出られるように、夫たちだけで交易を競いあってお金を稼ぎます。かたや、妻たちはその夫の稼ぎを当てにして、衣装の組み合わせを考えて欲しいものを選び、夫にたくさんおねだりする。4~10人用、対象年齢14歳以上、所要時間約30分)
・バルバロッサ(各自が秘密のお題を元にして粘土で奇妙な作品群を作り、それに対して、「はい」か「いいえ」で答えられる質問を重ねることで正体を当てて得点を競う。3~6人用、対象年齢12歳以上、所要時間約1時間)
・カルカソンヌ(地形タイルを1枚ずつ中央の場につなげていきながら、二度と同じものは作れない「街」ができあがっていきます。その中で、完成の見込みがある城塞都市や道などの施設は自色の駒で抑えつつ、タイルのつなげ方で自分の施設をより大きくしたり、ライバルを妨害したりする。2~5人用、対象年齢6歳以上、所要時間約30分)
<ゴキブリポーカーの感想>
ゴキブリポーカーは2~6人用、対象年齢8歳以上、所要時間約20分でできる、ハエやクモ・ごきぶりといった8種類の嫌われ者のカードを1枚、裏向きのままでその種類を伝えながら、誰かに押し付けるように次々回していき、嘘・本当の見抜き合いを重ねて、負け1名を決めるゲームです(上と引用箇所同じ)。
プレイしてみると、ごきぶりなどの害虫をメインにしているのがとてもユニークで、ルールも分かりやすく、すぐに始められるところが良いですね。ですが、友人とプレイしてちょっと気になるところが出てきました。
受け取る側から渡す側へ移ってしまった時、、事前のターンで負けたという精神的に不利な立場になってしまいます。負けの精神的影響から出る細かい仕草で考えを読まれやすくなり、また負けが続くと思考情報を相手に多く与えることになり、更に読まれやすくなる、とドツボにはまりやすく感じました。・カードを渡す側が不利な状況に追い込まれやすい
また、このゲームは2人以上からできますが、カードを渡す側と受け取る側の1対1の戦いのため、3人以上ですると必ず1人以上は直接的ゲームに参加しない状況が生まれてしまいます。負ける人を決めるゲームなので、
という本末転倒なところがあります。ゲームで目立たないように立ち回り、他のプレイヤーが積極的にゲームに参加するように誘導する必要があり、そのためには参加するプレイヤーの性格や経歴などを調べることも大事そうですね。・勝つためには、なるべくゲームに参加しない
やむ終えずゲームに参加してしまった場合、相手に考えを読まれないように立ち回らないといけません。人にはそれぞれ固有のパターンがあると私は考えています。100回じゃんけんしたら一定のパターンが見えてくるように、相手の嘘か本当かを出すパターンをいかに察知し、逆に自分のパターンを相手に読まれないかの勝負になります。声の抑揚や細かい仕草などで相手のパターンを見極め、自分のパターンを察知されないように立ち回り、なるべくランダムに近い動きをする意識が必要だと思います。その後、相手プレイヤーたちを誘導し、ゲームに参加しないように立ち回ります。
親しい友人とやるには持っている情報が多くて、ゲームとして成立しない対戦が多い気がしました。まだ魅力に引き出せていないだけかもしれません。
逆によく知らない人とやると面白そうです。学校の休み時間やサークルの合宿などで持っていき、トランプの代わりにさりげなく出してみましょう。その人がどんな性格で、どんなことを考えて知る良いきっかけになると思います。特に気になる異性のことを知るには最適ではないでしょうか? もしかしたら、ごきぶりポーカーをきっかけにで仲良くなることもあるかも?
以上、放課後さいころ倶楽部、ごきぶりポーカーの感想でした。
Amazonで外国版や定価以上するゲームは みんなで楽しめる、ボードゲームのお店 すごろくやで購入しましょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿