2016年4月16日土曜日

彩華-花の歌をききながら-(著者:小林智美)


<目次>
カバー(描き下ろし)
二律背反Ⅰ-最愛なる我が罪の半身(描き下ろし)
七都市物語(『七都市物語』田中芳樹/著・ハヤカワ文庫・カバーイラスト)
二律背反Ⅱ-最愛なる我が罪の半身(描き下ろし)
二律背反Ⅲ-最愛なる我が罪の半身(描き下ろし)
二律背反Ⅳ-最愛なる我が罪の半身([Michael vs Lucifer]獅子王7月号・朝日ソノラマ・1990年)
不死者の首(『失われし者タリオン⑥不死者の首』田中光二/原案・宮本昌孝/著・ハヤカワ文庫・カバーイラスト・1988年8月)
黒衣ぬぐ幽鬼(『魔聖公子④黒衣ぬぐ幽鬼』渡辺由自/著・カドカワノベルズ・カバーイラスト・1990年6月)
修羅の夢幻境(『魔聖公子③修羅の夢幻境』渡辺由自/著・カドカワノベルズ・カバーイラスト・1990年3月)
破邪復活剣(『失われし者タリオン③破邪復活剣』田中光二/原案・宮本昌孝/著・ハヤカワ文庫・カバーイラスト・1987年10月)
閉ざされた目(『失われし者タリオン⑦閉ざされた目』田中光二/原案・宮本昌孝/著・ハヤカワ文庫・カバーイラスト・1989年6月)
往きて乱(『失われし者タリオン⑤往きて乱』田中光二/原案・宮本昌孝/著・ハヤカワ文庫・カバーイラスト・1988年4月)
緑の視覚(「緑の視覚」多戸雅之/著・小説ウィングス第三号・新書館・1990年6月)
緑の合流点(「緑の合流点」多戸雅之/著・小説ウィングス第二号・新書館・1989年10月)
Shaw & Claude(テレホンカード用描き下ろし1989年6月)
ウロボロスの影(『喪神の礎①ウロボロスの影』津守時生/著・角川スニーカー文庫・カバーイラスト・1990年7月)
銀河英雄伝説(SFアドベンチャー増刊『銀河英雄伝説』特集号・徳間書店・1989年1月)
Shaw & Claude(「緑の標的」多戸雅之/著・小説ウィングス第一号・新書館・1988年12月「緑の合流点」多戸雅之/著・小説ウィングス第二号・新書館・1989年10月「緑の視覚」多戸雅之/著・小説ウィングス第三号・新書館・1990年6月「緑のネットワーク」多戸雅之/著・ウィングスノヴェルス『緑の標的』収録・新書館・1990年12月)
楽園の深き闇(『エストレリャ国異聞②楽園の深き闇』伊藤麻紀/著・大陸ノベルス・1990年12月)
メルクリウスの旅(『エストレリャ国異聞①メルクリウスの旅』伊藤麻紀/著・大陸ノベルス・1990年7月)
暁の大神(『大神伝⑧暁の大神』六道慧/著・ソノラマ文庫・1990年12月)
闇の大神(『大神伝⑦闇の大神』六道慧/著・ソノラマ文庫・1990年6月)
不定期エスパー(『不定期エスパー⑤』眉村卓/著・徳間ノベルス・カバーイラスト・1989年3月)(『不定期エスパー⑥』眉村卓/著・徳間ノベルス・カバーイラスト・1989年6月)(『不定期エスパー⑦』眉村卓/著・徳間ノベルス・カバーイラスト・1989年10月)
天の華 地の風(『私説三国志 天の華 地の風①』江守備/著・光風社出版・カバーイラスト・1986年12月)
天の華 地の風(『私説三国志 天の華 地の風③』江守備/著・光風社出版・カバーイラスト・1990年12月)
彼の蒼なるものの名は(『私説三国志 彼の蒼なるものの名は<白帝彩雲>』江守備/著・小説JUNE第43号・サン出版・1990年)
諸葛亮孔明(『私説三国志 天の華 地の風①』江守備/著・光風社出版・1986年)
ホウ統士元(『私説三国志 天の華 地の風②』江守備/著・光風社出版・1987年)
周瑜公瑾(『私説三国志 天の華 地の風①』江守備/著・光風社出版・1986年)
凶太白(『私説三国志 天の華 地の風②』江守備/著・光風社出版・1987年)
INTRODUCTION(多戸雅之/著・描き下ろし)

<補足>

羽耳
ミカエル
ルシファー
元帥
諸葛亮孔明
ホウ統士元
周瑜公瑾

<感想>
大きく分けて、二律背反-最愛なる我が罪の半身、失われし者タリオン、Shaw & Claude、私説三国志など、1986年から1991年(描き下ろし)の絵が収録されています。
小林智美さんの絵の特徴は美男美女と幻想的な色彩だと思っています。それはこの画集、彩華-花の歌をききながら-でも変わらず素晴らしいです。デザインの方ですが、今の画風(記号的?紋章的?で複雑なデザインが多く描かれている小林智美画集 Flower garden(フラワーガーデン) -光と闇の花園から-)と比べてみると、時代を感じさせるのと、シンプルなデザインが多いように思いました。ファンとしてはこれはこれで良いですね。
気に入った絵は表紙カバー七都市物語Shaw Claude(P33)です。
表紙カバーは表に二人の天使?が寄り添ってどこかを見ており、裏に下級天使?のような三人がいて見守っているような印象を受けます。表裏全体には下横一列に花が風に吹かれたように並んでいます。色彩が良くて、見たこともないような色合いに驚きました。表現できているかわかりませんが、金属が鈍く光って水色や赤紫色を出しているような感じです。本が届き改めて表紙を見た時、買って良かったと思いました(笑)。ただ、カバー下にイラストがなかったのが少し残念ですね。
七都市物語は真ん中の地球と宇宙、下の惑星を背景に、武器を持った多くの兵士?たちが四方八方にいる絵です。左の北欧神話のヴァルキリー?が淡々とした表情をしています。兜と服装、髪型も好きですね。空間的に描かれていると、ヴァルキリーなどのファンタジーと背景が宇宙のギャップが面白いです。
Shaw Claude(P33)はビーチにショウとクラウドがマットの上に寝そべっており、南国風?の葉やハイビスカス、オウムが二人を囲むようにしています。ショウのポーズが色っぽいのが良いのか、南国風が珍しいのか、自分でも理由はわかりませんが強く惹かれます。モノクロで描かれているのに色を感じさせるのが素晴らしい。けど、欲が深くカラーでも見てみたくなります(笑)。
画集として見開き絵や、絵に文章が入っていたり、最後は小説と、実験的試みが多いのがとても面白いです。ただイラスト集だけでなく、画集を一つの作品にしたように感じました。あとがきでは裏話が載せられています。絵に対して最初に見た時と違った見方ができるかもしれません。こういう裏話が載っている画集が増えて欲しいですね。また、小林智美さんのパワフルな部分もわかります。私も小林さんのように真っ直ぐに生きてみたいですね。
小説含めて全70ページと一見少ないように思うかもしれませんが、色鮮やかで濃密な絵は時間体験を忘れさせます。想像力を刺激してくれるのが画集の良いところですね。これからも本棚に大切にしまってちょこちょこ見て楽しみたいと思います。
また小林智美さんのサイト画集のイラストのサンプルが載せられているので、購入を考えている人は要チェックです。最後にニコニコ動画に小林智美さんの描いてみたの動画があるので貼らせていただきます。トナカイさんが少し残念。

<描いてみた(前編・後編)>

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