<6巻(放課後のはらわた!!編)の目次>
・第34話 迷い世界「前編」霊感の強い主人公の岸田純が怪奇事件に巻き込まれ、傍にいる幼なじみの早川涼子の霊が手助けし解決する基本短編ホラー漫画です。
・第35話 迷い世界「後編」
・第36話 ゴーストキッス
・第37話 青葉町七不思議・血染めの碁盤
・第38話 ぼくらのゾンビ先生
・第39話 ウサギ島の亡霊
この漫画の魅力は、全体的に暗い雰囲気の中に比較的ライトなタッチで可愛く描かれる登場人物たちが画として整っている、登場人物があまり変わることなく続いている(ホラー漫画の中では珍しいと思っています)、ホラーラブブラックコメディ(以後ホラブラコメ)的要素、が他の漫画にない独自性を持っているように思います。
ホラブラコメと言われてもなんのこっちゃと思いますが、ホラー漫画の中にラブコメがあり、たまにブラックコメディが入る、とそのままの意味の説明になりますが、ホラー漫画界では多分珍しい? ハーレム系の主人公です。ホラー漫画の主人公が女性に好かれるというと、大抵尋常でない不細工や狂気じみた美女キチガイなどが多いんですが、死人の声をきくがよいでは比較的まともな人たちです。幼なじみの幽霊、オカルト研究会の女子会長、片思いの女子高生、女霊能者など、ホラー漫画を読んでいない人からしたら普通ではないかもしれませんが、まともなんですよ、しかも美少女たちです。
ホラー漫画というと楳図かずおさん(作品:神の左手悪魔の右手など)や伊藤潤二さん(作品:富江 上・下、うずまきなど)などの作品がありますが、読んでみるとわかると思いますが、凄く油っぽいけど癖になる料理と似ています。元気な時はとても楽しいんですが、体調不良の時には気持ちが悪くなって読むことができなくなります。もう一つのハーレム系漫画単体だと恋愛が強くて甘ったるさをくどく感じたり、現実とのギャップに不快感が出るなど、かなり際どいカテゴリの漫画と個人的に思っています。
死人の声をきくがよいはホラーの良さとハーレム恋愛系の良さが混ざっているんですが、お互い邪魔をすることなく欠点を打ち消し合っている気がします。うどんやお寿司などの体調が悪くても読めそうなさっぱり系のホラー漫画に仕上がっています。体調の悪い時にも、ホラー作品初心者にもうってつけだと思いますし、ハーレム恋愛系漫画が好きな人は新しい境地が開けるかもしれません。このホラーとハーレム恋愛系が合体した漫画はかなり珍しいと思うんですが、他に似たものを知っている方は是非教えていただきたいです。
さっぱり系と言ってもホラーシーンでは緻密な絵と、私の求めるホラー要素の
・人が死ぬ(世の中は殺したいほど腹が立っても殺すことができなくもどかしい思いになる時もある。そんな時、フィクションの媒体が代替して人を殺してくれる爽快感。をしっかり押さえてくれているので、私のようなホラー作品を少し親しんだ人でも楽しむことができると思います。文章に書くと酷いですね;)
・怖いを通り越して馬鹿に思えてしまう話(ギャグ、シュール、お笑い系)
少し気になったところとして、よくおしっこを漏らしたり、太股がクローズアップされるのは著者の性癖、あるいはチャンピオンREDの方向性でしょうか。男としては気にならないですが
では、最後に個人的に面白かった台詞やシーンを引用します(4巻から6巻)。
ご・・・ご主人様・・・(4巻 第23話 ヘパロの戦士像)
出迎えた大浦一家は明らかに様子が違っていた(4巻 第24話 おかえりさんの島)
こんな場所に手塚先生が封印されているわけがない・・・・・・・・・(5巻 第29話 悪霊館にて)
会長・・・ゴミみたいな性格だったけど美人だったなあ(6巻 第39話 ウサギ島の亡霊)特に好きな話は「6巻 第37話 青葉町七不思議・血染めの碁盤」です。
テンションキチガイマックスみたいな伊藤潤二さんの漫画のノリがあって気に入っています。
ではでは。
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