<目次>
第一章 画図編桃山人夜話は桃山人(江戸時代後期の戯作者、桃花園三千麿とされている)さんの書いた江戸時代の人気妖怪本です。
第二章 翻刻編
第三章 現代語訳編
白蔵主、飛縁魔、狐者異、塩の長司、磯撫、死神、野宿火、寝肥、周防大蝦、豆狸、山地乳、柳女、老人の火、手洗鬼、出世螺、旧鼠、二口女、溝出、葛の葉、芝右衛門狸、波山、帷子辻、歯黒べったり、赤ゑいの魚、船幽霊、遺言幽霊 水乞幽霊、手負蛇、五位の光、累、於菊虫、野鉄砲、天火、野狐、鬼熊、かみなり、小豆洗、山男、恙虫、風の神、鍛冶が嬶、柳婆、桂男、夜の楽屋、舞首
本書は画図編、翻刻編、現代語訳編の三章で構成されています(Kindleで読んでいるので、実際の本との編集や構成などに違いがあるかもしれないです)。
画図を載せる技術はないですが、翻刻編と現代語訳編はこのように載っています(以下本書より一部引用)。
翻刻編 第三 狐者異(こわい)
狐者異は我慢豪情の一名にして、世話に云無別者也。生ては法にかゝはらず、人を恐れず人のものを取くらひ、死しては妄念執着の思ひを引て無量のかたちを顕し、仏法世法の妨げをなす。依て仏経にも狐にたぐへて疑心にたとへり。只恐るべきは自己の悪念なり。この貪着をさらざる時は仏といへどもきらひ恐れ給ふと有。世に恐ろしきことをこわいと云は、是より出たる詞也。
現代語訳編 第三 狐者異(こわい)翻刻、現代語訳共に載せられていて丁寧な作りになっています(古語が苦手なので現代語訳はありがたかったです)。
狐者異とは高慢・強情のまたの名にして、世間にいう無分別者のことである。生あるうちは世のおきてを顧みず、人を恐れず人の物を平気で取り食らい、死んだ後は迷いに執着してこの世に様々な姿を現し、仏道や俗世間の法に妨げをなす。よって経典でもこの狐者異をきつねになぞらえ疑心に喩え、「ただ恐るべきは自らの悪心である。これに執着している時は、いくら仏様でも嫌いなお恐れになる」と書いている。世に恐ろしいことを「こわい」というのは、ここから出た言葉である。
それと話についてですが、面白いものもあれば、生きていく上のためになる話もあります。人生に苦戦している人は少し光明が見い出せる(かも)です。難点と云えば妖怪の数が少ないところですね。
逆に鳥山石燕 画図百鬼夜行全画集
あと、水木しげるさんの決定版 日本妖怪大全 妖怪・あの世・神様
桃山人夜話以外の本も紹介してしまいましたが、私の読んできた妖怪関連の本はお得感や解説が良かったり、親切で丁寧な作りだったりと最高です。妖怪好きはきっと聡明な人たちに違いない(謎の確信)と自然と尊敬してしまいます。
ではでは。
0 件のコメント:
コメントを投稿