<ドンキーコングを知らない人のために>
任天堂が1981年に稼動したアーケードゲーム『ドンキーコング』を源流としたゲームシリーズ。
第1作『ドンキーコング』は後に同社の看板キャラクターとなるマリオのデビュー作で『マリオシリーズ』自体が元々『ドンキーコング』のスピンオフ作品として生み出されたものであった。そのため世界観を共有しており、現在も関係が強い。
『スーパードンキーコング』を製作してシリーズをリニューアル・再開させたレア社がイギリスの企業であったり、NINTENDO64期のシリーズ作品が日本ではミドルヒット止まりだったが海外では大ヒットしたなど、日本以上に海外で支持が大きいシリーズである。日本では海外ほどのヒット作は少ないが、数十万本のヒット作が出るなど、一定の売り上げと支持を得ている。
ドンキーコングトロピカルフリーズは『スーパードンキーコングシリーズ』に入る模様(他にドンキーコングシリーズ、ドンキーコンガシリーズ、マリオvs.ドンキーコングシリーズなどがある)
ちなみにスーパードンキーコングシリーズのタイトルは
・スーパードンキーコング(1994年11月26日)スーパーファミコン
・スーパードンキーコング2 ディクシー&ディディー(1995年11月21日)スーパーファミコン
・スーパードンキーコング3 謎のクレミス島(1996年11月23日)スーパーファミコン
・ドンキーコング64(1999年12月10日)NINTENDO64
・ドンキーコング リターンズ(2010年12月9日)Wii
・ドンキーコング トロピカルフリーズ(2014年2月13日)Wii U
である。
動画を見るとわかりやすいのだが、いわゆる2Dアクションゲームと呼ばれるもので、マリオと同じように平面の世界(2D)を歩いたり、走ったり、ジャンプしたりして障害を抜けながらゴールを目指すゲーム(もっとも今作は疑似3Dのような表現もあるから厳密にはそうとはいえないが)
詳しくはwikipedia参照。
以降は今作をプレイした私のレビューと雑文です。
<舞台>
飽きることのないほど多様にある。(マングローブの森に、海に、氷漬けの島など。ゲームソフトパッケージ裏より)
<操作性>
やや快適(慣れ次第のところもある)。
<難易度>
難易度に関してなのだが、プレイする目的によって変わると感じた。私にとってプレイする方法は三種類あり、一つは何も考えずにただクリアをする初見プレイ、二つは収集物であるKONGパネルとパズルピースを集めるプレイ、三つは体力が一つしかないハードモードである。それぞれの難易度は
初見プレイ:やや難しい(中学生以上対象かな?)
KONGパネル、パズルピース集め:難しい(同じく中学生以上)
ハードモード:とても難しい(相当のゲーム好き対象)
のように感じた。
初見プレイ、KONGパネルとパズルピース集めプレイのみ、友達や家族と一緒に協力プレイによって、難易度を下げることが可能かもしれない。
<難所>
難所もそれぞれプレイの仕方によって変わる。
初見プレイ:水中面
KONGパネル、パズルピース集め:ラビリンスコース、ミステリーアイランド
ハードモード:水中面、6-4「雪玉の洞窟」、6-5「スノーフォレスト」、6-B「つららのとりで」
<私とドンキーコングの出会い~トロピカルフリーズへの思い>
小学生の時、スーパードンキーコング2を買って貰ったのが最初の出会いだった。当時は1面しかクリアできなかったのだが、よくスーパードンキーコング2の攻略本を読み、先にあるステージを眺めていた。まさに下手の横好きというか、ゲームをどうやったら上手くなれるのかなんて考えることもなく、適当に猿を動かすこと自体が非常に楽しかった。それからスーパードンキーコング3を買って貰うも、やはり最後までクリアすることなく、何となく出してみては1面をクリアするだけで終わるのを繰り返していた。それから任天堂のゲームから離れていくのだが、しばらくしてニコニコ動画のスーパードンキーコングの実況プレイを見てから再熱する。その実況者の猿の使い方に、私も同じように上手なプレイをしてみたいと思わせた。ちょうど、その頃、WiiのドンキーコングリターンズのCMがテレビで流れ始め、再び『スーパードンキーコングシリーズ』に手を出すことになった。
ただ、そのドンキーコングリターンズなのだが、一応最後までプレイすることはできたのだが、あまりの難しさにただクリアするだけですぐに中古屋さんに売ってしまった(購入してすぐ、友達を呼んで協力プレイもしたのだが、あまりの難しさに投げられてしまったことも関係しているかもしれない)。その後、ふとした時にドンキーコングを思い出し、完全クリアせずに売ってしまった後悔が募ってきた。だが、わざわざ一度プレイしたゲームを買い直すのは馬鹿馬鹿しいしと思っていると、今作ドンキーコングトロピカルフリーズが発表された。私はドンキーコングリターンズを途中で投げ出してしまったリベンジを兼ねて、今作に対して並々ならぬ思いがあった。今度は完全クリアしてやるぞ、と自分に言い聞かせた。
<今作の特徴について>
初のHDドンキーコングであり、画質が凄く綺麗(Wiiに比べて)。ゴリラの毛並みのふさふさ感も再現されているところもグッド。前作のパートナーキャラクターであるディディーコングに加え、新たにディクシーコング、クランキーコングを連れてプレイできる。レトロスタジオが担当する前の、レア社の『スーパードンキーコングシリーズ』に思い入れがある人にはたまらない。さらにそのシリーズの音楽担当で、神曲と言われるほど素晴らしいものを生み出したデビッド・ワイズが今作で再び音楽を担当することになった。過去の『スーパードンキーコングシリーズ』を知っている人たちにとってはたまらないサプライズと言えるだろう。
<評価・感想>
ステージの完成度の高さに思わず舌を巻きたくなるし、デビッド・ワイズの音楽もお洒落なものから、名曲のアレンジ、ロックンロールなボス曲など、言葉にしなくてもいいぐらい最高。『スーパードンキーコングシリーズ』が好きな人には間違いなくお勧めできる。
ここからはプレイしてみての各モードの気持ちの変化を書きたいと思う。
初見プレイはとても楽しくできた。ステージのギミックの数々で死んでいった猿たちに思わず笑ってしまった。今回から水中面が復活したのだが、その微妙に良い操作性に慣れず苦しめられた。ただ、水中面の数が少ないので、ステージに慣れてしまえばそこまで苦戦することはない。
KONGパネルとパズルピース集めについては、プレイスキルが上がっていく手応えを感じた。攻略本を読みながらプレイしたせいか、そこまで苦労せずにパネルとパズルを集められた。
ただ、KONGパネルを集めて出現するラビリンスコースには苦しめられた。もうこのステージは当分プレイしたくないと何度も思わされた。特に5面のラビリンスコースはもうこのゲームをやめようと思った。「もう無理だ、誰か助けてくれ」「あああああ」「ゴリラの死に様が美しい」と苦し過ぎて変な気分になる。だが、そのステージをクリアしたときの快感は凄い。もう叫びたくなったり、体を動かして喜びを表現したくなる。初見プレイとは違った達成感がある。
全てのKONGパネルを集めて現れるミステリーアイランドも歯ごたえがあって苦しめられる。もう駄目だと思っても、何度もプレイしてしまう、そしていつかクリアしてしまう調整はさすがレトロスタジオと思う。
ハードモードについて。
同じステージを引き続きプレイするわけだが、初見プレイとは違った印象を残す。普通のステージが中間ポイントがなくなったことで、ラビリンスステージ並の難易度に上がっている。今まで中間ポイントを使ったまぐれクリアが、ほぼ通用しなくなる。もっとも3面まではラビリンスコースをクリアした経験が生きて比較的に楽にクリアできる。
問題は4面の水中面から。微妙に良い操作性と一発食らったら即オワタのハードモードに苦しめられる。もうやめたくなる、ゲームをプレイすることが苦行になる。「なんのためにこんなことをしているのか」「なんでこのステージはこんなに理不尽なんだ」「なんでこんな難しいゲームをしているんだろう」「ゲームは悪」「ゲームは何もない」「こんなに難しいのはレトロスタジオは間接的にゲームをやめさせようとしているんじゃないだろうか」「こんなミスばかりして無駄な時間を浪費するんじゃない、現実に帰れ」「こんなことじゃなくて、もっとためになることをするんだ」と哲学的な気持ちにさせる。だが、その哲学的な気持ちを乗り越えると、「私がいくら泣き言を言ったってステージは変わらない」「ステージが悪いんじゃなくて、私の操作で猿たちを可愛そうに死なせてしまっているんだ」「環境が悪いんじゃなく自分自身が悪い」「環境がいくら悪くても自分自身が変わらないと何も変わらない」といった人生観を教えてくれる(少なくとも私はそうだった)。そして、難しいステージをクリアする度の達成感と、ドンキーコングのプレイスキルが上がっていくのに驚かされる。ハードモードをクリアし、200%になった時はの気持ちは圧巻だ(思わず馬鹿みたいに口が空いてしまった)。
総プレイ時間は約50時間。かなりのボリュームに感じた。値段以上のものは確実にある。
タイムアタックには手を付けていないので、そちらもする方はプレイ時間が伸びると思う。
3周もドンキーコングをプレイすると、もう当分しなくていいと思うのだが、また続編が発表されれば、買ってしまうだろう。その難しさと、不思議な中毒性のある魅力的なシリーズタイトルに今後も期待したい。
<雑文>
ドンキーコングのアニメに思い入れのある私としては「ドンキーコングリターンズ3D」と同じように、CMの音声は山寺宏一さんに担当してほしかった。やまちゃんのあの声がドンキーコングのCMにはしっくりくるんだよなあ。是非次回作かリメイク作はやまちゃんにしていただきたい(勝手な願望)。
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