観念としての芸術によるブログ: ゼルダの伝説スカイウォードソード（開発：任天堂株式会社）

＜ゲーム（WiiU、Wii専用ソフト）＞
発売日：2011年11月23日
希望小売価格：6476円（税別）
プレイ人数：1人
ジャンル：アクションアドベンチャー
セーブデータ数：3
※本ソフトを遊ぶためにはWiiリモコンプラス（またはWiiリモコン＋Wiiモーションプラス）とヌンチャクが必要です

＜舞台＞
・大空
・島（天空に浮かぶ）
・森、湖（水路が多い）
・火山
・砂漠、砂海（砂に囲まれた海）

＜操作性＞
・不満に感じるところもあるが概ね良好

＜難易度＞
・謎解きに詰まることは少ない
・戦闘などアクション性が強いため、そちらの難易度はほどほどある

＜辛口モードの個人的な難所＞
・vsナリシャ、パラスパラス戦
・ラネール渓谷における時空石の移動
・荒修行（詰みました）

＜評価＞
スカイウォードソードは３Ｄゼルダの前作であるトワイライトプリンセスに比べて密度の高いものになったと開発者の方がおしゃっていたが、アクション性はともかくとして、舞台の数が少なく、そこを何度も行き帰りをするのは密度が濃いというよりは、代わり映えしない景色に飽き飽きさせるといった感覚の方が強い。起伏にとんだ舞台で初めは感動させられるのだが、その舞台がどうしてこの地形になっているのかという必然性が見あたらず、作意的に作られたとゲームであることを意識させられ没頭感を削がれる。また他にも同じボスと何度か戦わされる欠点もある。

また操作性の補足なのだが、Wiiモーションプラスは狭い部屋で使うにはなかなか思った通りに動作しないでイライラすることになる。広い空間があってはじめて自由になるので、その点富裕層向けというか、ゲームを普通にクリアするのは問題ないが、やり込もうと思っている人には狭い部屋でのプレイは辛いかもしれない。

だがゲームが始まるとその欠点以上に良いものを見つけられる。ダッシュと壁登りジャンプができることや、剣を手に入れ、切りたい方向に切るができることに感動させられるだろう。かゆいところに手が届くように、頭の中に浮かんだアイデアをゲームで本当にできるのか検証すると、概ねできるところも良い。WiiのためHD画質ではないが、外国のマンガのようなトゥーン調が混じったグラフィックは暖かみがあり、景色を豊かに見せ、ただ眺めているだけでも楽しい気分にさせてくれる。

今作は不満点もあるが、Wiiモーションプラスによる新しい試みにチャレンジし、アクション性が大幅に向上したものになっている。プレイヤーによって賛否が大きく分かれる本作だが、私にとっては手放したくないゲームの一つになった。

ただ、それを真に感じさせられたのはニンテンドウドリームの攻略本を買ってからだった。

パソコンが普及したことによってゲームの情報を多く得られる機会ができた。だが、パソコンで攻略サイトを見ながらすると、ゲームとパソコンの行き来で目が痛くなってしまいそれどころではなくなってしまう。目が痛くなるからと攻略サイトを気軽に見ることができず、面倒になってゲームのやり込みもしなくなってしまう。
少々値が張るが、久しぶりに攻略本を買ってゲームをすると楽しくやり込むことができた。ちょっとした時間に読んだり、今までのアクションの復習や、敵キャラクターの攻略法を調べたりと活用した。

だが、攻略本を見ながら攻略していると、やっぱり攻略本を利用してすんなり答えを得るのではなく、同じゲームをする友達同士で話し合いながら攻略法を模索するのが楽しいではないのかと思えてくる。
現在、娯楽の種類が増え、またゲームの種類が増えたことによって、同じゲームを遊ぶ友達を見つけにくくなった。スカイウォードソードが真に面白さを発揮するのは、同じゲームをする友達がいることだろう。友達とゲームのことを話し合い、攻略法を交換、難所を言いあって苦労を共有する楽しさこそが、スカイウォードソードの本当の楽しさではないだろうか。

WiiUにはゲームごとにコメントできるMiiverseというものがあるそうだが、子供の発言が多いと、あまり良い噂を聞かない。実際にWiiUを購入してみないと何とも言えないが、そうなってしまっていることが悲しく思う。

最後にWiiという機種についてプレイしていて思ったのは、他のゲーム機と比べて体を使い気持ちが良い。もしかしたらXbox360のキネクトの方が勝っているのかもしれないが、運動に導くような動作をゲームで体験させることで、現実の運動に結びつくことになるかもしれない。

最終的には運動不足や肥満解消ができるように、完全に現実の動きと連動したゼルダになるのではないかと勝手に思っている。
地味で暗い印象を持たせるゲームに、いつか明るく健康的な印象に任天堂がしてくれると思っている。