2016年4月20日水曜日

COBRA THE SPACE PIRATE(著者:寺沢武一)


<あらすじ>
垂れ目、丸い鼻、
笑みを浮かべた口元にはいつも葉巻が。
初めて彼を目にした者は『にやけた男だ』と
口を揃えて云うだろう。
だが彼の名を知らない者は、この世界に無きに等しい。
『海賊コブラ』
左腕に仕込んだ【サイコガン】、
そして、美しき相棒アーマロイド・レディと共に
愛機タートル号で宇宙を飛び回る
コブラは宇宙一の賞金首だ。
寺沢武一公式サイトbuichi.comより引用

<発売中のコミックとエピソード>
COBRA 1(コブラ復活、イレズミの三姉妹:前編)
COBRA 2(イレズミの三姉妹:後編、宇宙の大魔王、黄金の男)
COBRA 3(サイコガンの秘密、ロボットはいかが?、雷電の惑星、地底の客、ラグボール:前編)
COBRA 4(ラグボール:後編、二人の軍曹、死の商人、海底の墓標、シドの女神:前編)
COBRA 5(シドの女神:後編)
COBRA 6(黒竜王、黒い弾丸、異次元レース:前編)
COBRA 7(異次元レース:後編、黄金の扉、マンドラド)
COBRA 8(黄金とダイヤ、神の瞳)
COBRA 9(さまよえる美女の伝説、「カゲロウ山」登り、六人の勇士:前編)
COBRA 10(六人の勇士:後編、地獄の十字軍:前編)
COBRA 11(地獄の十字軍:後編)
COBRA 12(聖なる騎士伝説、リターンコブラ)
COBRA ザ・サイコガン前編後編
COBRA ギャラクシー・ナイツ
COBRA タイム・ドライブ
COBRA ブルーローズ
COBRA マジックドール前編後編
コブラ 大解剖(魔法の船、バラ)
※一部新品で手に入らないものがあるので、気になる人は電子書籍がいいかもです。

<感想>
『COBRA THE SPACE PIRATE』は左腕にサイコガンを付けた宇宙海賊コブラが主人公の漫画です。コブラの二枚目と三枚目を行き来する飄々としたところや、サイコガンを見せた途端に敵が「まさか、コブラかっ!?」「ビームが曲折したっ!?」などのやられ台詞が気持良いです。
ハイレグ姿の多い女性キャラクターがセクシー、特殊偏光ガラスでできたクリスタルボーイ、戦国時代の武将のような甲冑を着たサラマンダー、自らの種子を人間に埋め込み操る植物系人間のターベージ、自由に操ることのできる髪と無機質な仮面のようなアイアンヘッド、人骨のデザインが特徴的なスカルヘッド、蝶が本体であるパピヨン、笠を被った海賊ギルドのブラックダーツ隊隊長のメガ・カーンなど、見たこともない、一度見たら忘れられないくらいデザインが素晴らしいです。

バリエーション豊かなSFストーリーが展開されるのですが、個人的に好きなエピソードは「ラグボール」「二人の軍曹」「海底の墓標」「カゲロウ山登り」「タイムドライブ」「マジックドール」です。「ラグボール」は熱い展開!、「二人の軍曹」は誰が裏切り者なのかわからないサスペンスが、「海底の墓標」はシーメンのボスであるアイアンヘッドのデザインが特に好きで(笑)、「カゲロウ山登り」は信じないと消えてしまうカゲロウ山に多くのことを感じさせる深みがある(先生の言う構成の素晴らしさにまだ気が付けていないので何度も読み直して見つけたいですね;)「タイムドライブ」はアーマロイド・レディや過去のコブラと現在のコブラが出会うシーン、改造されたレイラが好きで、「マジックドール」はメカが疑似生物化してしまうという今までになかった新作の雰囲気に、人形遣いのマリオの再登場、ザナドゥ、頭が丸い水槽の魚であるジータのデザインなどが気に入っています。
寺沢先生は絵の拘りが凄くて、週間少年ジャンプでは珍しい描き溜め形式が取られたのも有名で、ジャンプの中でも特別な作品なのが伝わってきますよね。

コブラは1978年から連載された漫画で、それを何を今更と思われるかもしれないですが、ハマったきっかけは『スペースコブラ』というテレビアニメシリーズを見たからです。少し前に放送したのを見たのですが、とても面白く、毎週コブラが放送されるのを楽しみにするようになりました(当時から見ると本当に今更ですが)。大好きな声優の野沢那智さんが二枚目三枚目を自在に使い分けるところや、榊原良子さんの落ち着く声、ウィザードリィの音楽を担当していた羽田健太郎さんともう俺得な最高の組み合わせでした。アニメ版は漫画版と少し違っていて比べてみるのも面白いですよ。『スペースコブラ』を全て見た人は、完全版の6巻から買うと内容が被らないです。個人的にラグボール以降は漫画版の方が面白いので4巻からの購入がお勧めです。

コブラの完全版(コブラ復活からリターンコブラまで)は約300Pでかなりお得で、フルカラー版(ザ・サイコガンからマジックドールまで)は各巻約200Pとなっています。フルカラー版は完全版と絵柄が変わり(?)、アメリカのアニメタッチの絵とCGが使われた印象を受けます。余談ですが、「ザ・サイコガン」「ギャラクシー・ナイツ」はセルフパロディ、パラレル的な話と思っています(でないとクリスタルボーイの言っていることがおかしいので)。前者は「イレズミの三姉妹」「雷電の惑星」「六人の勇士」から、後者は「二人の軍曹」「リターンコブラ」の要素が入っているように感じました。要素が入っている程度で話は新作なので、同じものを読むという不安はないですよ。

コブラは全て読み終えたあと、またすぐに読み直してしまうほど面白いです。「コブラは歳を取らない作品」と言われる意味がよくわかりました。
それでは三週目に行ってきます(笑)

<寺沢武一原画展 ART of コブラ とか。>

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