真赤とはいったいどんな人物だったのか。
女らしくはあったが、なんとなくわからないところもある。
奇妙で魅力的な人物を自分なりに紐解いていきたい。
まず彼女の特徴を憶えている限り、箇条書きにしてみる。
- 不登校中学生女子~中卒無職~大学生
- テキストサイト(男の童貞と偽って書き込む)
- 大学生と性的関係にあった(かも)
- 虚言癖(いじめられていると嘘を吐くなど)
- 共依存(主人公に対して)
- 嗜虐性(人で遊んで、優越感を得る)
- コンプレックスがある(オシノに対して)
自分に自信がないのだろうか。
中学に行かなくなったのも、適応できなかったことに劣等感があったのかもしれない。
真赤がとった行動の多くは自分の価値を上げることだった。
その例として、
・テキストサイトで童貞を偽り、価値を最低までした後に、中学女子として登場する。
・周りにいじめられていると可哀想な人として見てもらう。
真赤は見た目にそれなりの自信があったようだが、オシノとの会話から自分は価値のないものだと思っていたようだ。
設定を作って、演出しないと自信を持つことができない。
真赤は自分の脚本通りに人生が進んでいく反面、その通りになることに面白みを感じなくなっているようだった。
男をとっかえひっかえするが、そのどんどんと乱れていく男女関係が物語っているように思った。
夢のような自分の脚本が、いつかつまらなくなって目を覚ます。しばらくして、また夢を見たいと脚本通りになって、そしてつまらなくなって目を覚ます。大学生から主人公、主人公からヤマダまでは割と長い周期だったが、時間が経つにつれて、そのスパンが短くなっているようだった。まるで薬が段々効かなくなるみたいに。
真赤は男を馬鹿なものと意識しているだろう。無論、彼女の思う通りに男はどんどん馬鹿になっていく。何だか悲しいものだ。
彼女にとっての男は、自分の存在を全肯定してくれるものなのだろう。自分の価値を上げる最終目的になって、男と付き合って安心を得る。だが、すぐに飽き飽きしてしまって捨ててしまう。
真赤にとって男は無限の存在であり、すぐに捨てても、また新しい男がやってくる。
しかし、無限の男たちの頂点に立つ女王のような真赤だが、私にとって可哀想な存在だと思えてしまう。
テキストサイトという閉鎖された中で頂点に立っているだけなのだ。
井の中の蛙大海を知らずのように、真赤が外に出て同じように女王になって男をはべらすことは難しいだろう。
そして、真赤をちやほやしてくれる人たちは、テキストサイト界の住人でしかない。その住人というのは変わった人間ばかりで、まともな人は少ない。そんな人たちといってはいけないが、その中でちやほやされていると感じていることが、真赤が開いた観察パーティーと紙一重と言う可能性もある。
真赤は当事者で、常に男を操ってきた立場だから、そうなることは少ないかもしれないが、ならないとも限らない。それだけテキストサイトの人はあまり信用できない。
その不安定に思える足場の上に女王として立っても、真赤の欲しい価値をいつまでも得られないだろう。
ふわふわとしているうちに、時間が過ぎ去り、取り返しのつかないことになってしまう。
今は美貌で男をたらしこむことができるかもしれないが、女は年を経ると老けてくる。
それまでに真赤が自分のしていることを冷静に考えられれば、救いがあるかもしれない。
気が付かなければ、最悪な結果を迎えるだろう。
なんというか、真赤という人間は大学のサークルの中に一人いそうな人物だ。
その人たちが、彼女の最悪な結果になることがなければ良いと思う。
あの時、あの人と結婚しておけばよかった、付き合い続ければ良かったなんて後悔の言葉は聞きたくない。
<最後に>
とまれ、この言葉が聞きなれないせいか小説内に多かった気がするが、あれは電気サーカスをこれ以上読まないでくれと言う警告のように解釈すると、面白く感じる。
とまれ、ツイッターで書いた通り誤字脱字が酷い。書き初めに空白が二つ空いてるのと、。。これって校正がちゃんと見て直せるところのように思うけど、どういった事情があったのだろうか、想像するしかないわけだが。
ネットで連載している方が挿絵が多いというのも納得いかない。そもそも冒頭に、どうですかといった具合に絵を並べているのは腹に立つ。今までの本がかなり気合の入ったものが多かっただけに、余計イライラさせた。
まあ、そうはいっても話はいつも通りの面白さなので、ネットの方に冒頭だけ読めるので、それで調べて買ってみてはどうかしらん。
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